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「ぼくのリュック」

2010/01/06 Wed

皆様、あけましておめでとうございます


全く季節外れで申し訳ありませんが、昨年のクリスマスに友人より素敵な作品をいただきました。

記事をアップする時間がなくタイミングが遅れてしまいましたが、あと12ヶ月も待てないので今頃の紹介となりました。


作者である彼は長年、重度の障害で通常の社会生活を営むのに困難な状況にあります…


оΟ゜Ο。.・оΟ゜Ο。.・оΟ゜Ο。.・оΟ゜оΟ゜Ο。.・оΟ゜Ο。.・



作品「ぼくのリュック」



ぼくが背負っているリュックは尋常でなく大きくて重い。

何が入ってるのか、本人ですら知らない。

話は20年も前に遡る。

全力疾走で中学受験を目指していた12歳のクリスマスのとき、ケーキを買って家に帰る途中、おじいさんが道で倒れていた。
手を貸して起き上がるのを助けてあげると、「クリスマスプレゼントは何が欲しいか言ってごらん」と訊かれたので、ファミコンの新しいソフト!と答えそうになったが、「全てを知りたい!」と言ってしまった。

「よしよし、いいともいいとも」
おじいさんはそう言って、紙袋から一個のリュックを取り出して、ぼくに差し出した。
「メリークリスマス!!このリュックは非常に長い間、体からはずすことが出来ないし、中身を覗くことも出来ないが、いずれきみの願いは必ずや叶えられるだろう。」

ぼくはリュックを背負って日が経つにつれ、次第にリュックの重みが増していっていることに気づいた。

重さがつらく何度もリュックを脱ごうとしたが、体の皮膚に直接くっついてるらしく、はずすことは全く出来なかった。

母は「そんなもの早くはずしなさい」と怒ったが、ぼくにはどうすることも出来なかった。

そして、母はぼくを病院へ連れて行ったが、医師は一通り話を訊いた後、たくさんの薬をくれるだけだった。

薬を飲むと少しだけリュックは軽くなったが、やはり脱ぐことは出来ず、むしろ副作用でさらに重たくなるのだった。

そして、中学受験の日。
試験監督の先生に「リュックは机の横に置くように」と注意され、体にくっついてるから取れないのですと答えたが、先生はいぶかしげにぼくを見るのだった。

案の定というか、不合格通知が届いた。
しかし、ぼくは少し安心した。
こんなにも重たいリュックを背負って、毎日毎日電車に乗って通学などしたくはない。

結局、地元の中学に通うことになったが、リュックがさらに重たくなったため、ろくに登校が出来なくなった。
リュックを背負ったままベッドに横になり、愛犬をよしよし撫でながら、イージーリスニングの音楽に思いを馳せた。

不便で不快な日々は、夜明けが永遠に来ない闇のように続いた。
電車では皆が邪魔そうにし、銭湯では入場を断られ、アルバイトの面接はほとんど落ちた。
毎年、リュックは重たくなり、もはやトイレに行くため布団から起き上がるのも苦痛となっていた。

そして、現在。
浴室に行こうと立ち上がったところ、リュックの中身があまりに重すぎたのか、ついにリュックの底が抜け、ドサドサドサとたくさんの物が床に落ちた。
とても身軽になったことに、驚きさえ感じた。

いろんなものが床にこぼれている。
宝石、ゴールドの延べ棒、真珠の首飾り、CD、着物、本、人形、タオル、DVDプレーヤー、おもちゃ、、

そうか!ぼくは以前、全てを知りたいと言ったために、体の苦しみも知り、差別される苦しみも、財宝までも知ることになったのではないだろうか。

たくさんの物品を触ったり眺めていると、なんだか気持ちが満たされたのか、これらを人々にプレゼントしにいきたいと思うようになった。
底の抜けたリュックの中をよく見ると、住所と名前と渡す品が書かれた一覧の紙が入っている。
そして、サンタクロースの衣装も入っているではないか。

ぼくは今夜、見知らぬ人々の家に向かう。
底の抜けたリュックを逆さまにして、たくさんのプレゼントを再び詰め込むと、玄関を出た。

家の外には大きなソリが膝ぐらいの高さで空中に静止し、何頭ものトナカイが嬉しそうにぼくを見て、出発の号令がかかるのをいまかいまかと待ち望んでいた。













ワンクリックありがとうございます<(_ _)>










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さんかるぱ

Author:さんかるぱ
アメリカ在住13年。後、大阪に居を構え広い意味での「癒し」に関わる。

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