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「ヴォネガットさん、あなたに神のお恵みを」“God Bless You, Mr. Vonnegut !”

2008/01/06 Sun


「神よ、変えることができないことを受け入れる平静さと、変えることができるものを変える勇気と、それらを見分ける知恵をお与えください」
―『スローターハウス5』より


カート・ヴォネガット・ジュニアは極めて特異な作家でした。60‐70年代にヴェトナム戦争が泥沼化するアメリカで、カウンターカルチャーの旗手として登場したヴォネガット。彼の作品にはSFやファンタジーといった特定のカテゴリーに収まらない独特の文体とメッセージがあります。村上春樹氏始め、多くの日本人作家への影響も窺えます。


「わたしがトラルファマドール星人から学んだもっとも重要なことは、人が死ぬとき、その人は死んだように見えるにすぎない、ということである。過去では、その人はまだ生きているのだから、葬儀の場で泣くのは愚かしいことだ。あらゆる瞬間は、過去、現在、未来を問わず、常に存在してきたのだし、常に存在しつづけるのである。たとえばトラルファマドール星人は、ちょうどわれわれがロッキー山脈をながめるのと同じように、あらゆる異なる瞬間を一望のうちにおさめることができる。彼らにとっては、あらゆる瞬間が不滅であり、彼らはそのひとつひとつを興味のおもむくままにとりだし、ながめることができるのである。一瞬一瞬は数珠のように画一的につながったもので、いったん過ぎ去った瞬間は二度ともどってこないという、われわれ地球人の現実認識は錯覚にすぎない。」


彼自身の人生で特筆すべき体験は、第二次大戦の際ドイツ、ドレスデンで捕虜になった時の事件。アメリカ軍兵士として囚われの際、連合軍(味方)の無差別爆撃で一般市民12万人以上が殺戮された現場に立ち会ってしまったことです。
廃墟の中の深い、やり場の無い絶望から生まれた軽妙なユーモア―それが彼の作品に通底する不思議な味となっています。


「トラルファマドール星人は死体を見て、こう考えるだけである。死んだものは、この特定の瞬間には好ましからぬ状態にあるが、ほかの多くの瞬間には、良好な状態にあるのだ。いまでは、わたし自身、だれかが死んだという話を聞くと、ただ肩をすくめ、トラルファマドール星人が死人についていう言葉をつぶやくだけである。彼らはこういう、『そういうものだ』(So, it goes.)」
 -『スローターハウス5』より


そして、過去、現在、未来という時間の流れを超越し、宇宙の終末に至るまでの歴史をすべて現在の瞬間として認識するトラルファマドール星人から、主人公ビリー・ピルグリムへのアドバイスは以下のようでした。

「生きている間は幸福な瞬間に心を集中すること ― 美しいものだけをしっかりと見ること、永遠が過ぎ去ることは決してないのだから。」

彼が時空を超えて訴えた真実は今、正にその命を取り戻しているかのように見えます。 
彼が『猫のゆりかご』“Cat’s Cradle”(註:「綾取り」のこと)で描いた奇妙な宗教、「ボコノン教」は次のように教えています。

「フォーマ(=無害な非真実)を生きるよるべとしなさい。それはあなたを、勇敢で、親切で、健康で、幸福な人間にする」

 ―これこそがヴォネガット特有のレトリック。
「真実」や「正義」を振りかざす人々は中々胡散臭いものですから…

昨年ブレイクした元米国副大統領にぴったりの言葉もあります。

「わたしたちは最初から、<この惑星の生命維持組織に加えるどんな傷もほとんど永久に治療不能である>という科学的事実を認識しておく必要があるでしょう。この惑星を傷つけておいて、あとからそれを治すふりをする人間は、まさしく偽善者だということになります。」


There is no reason Good can triumph over Evil, if only angels will get organized along the line of the Mafia.
(天使たちがマフィアに伍することがない限り、善は悪に必ずや勝利する)


ハイホー

カート・ヴォネガット・ジュニア 
1922年11月11日‐2007年4月11日 享年84歳
「―さようなら。そしてこんにちは」

- So, it goes.



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Author:さんかるぱ
アメリカ在住13年。後、大阪に居を構え広い意味での「癒し」に関わる。

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