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『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる 』/エックハルト・トール

2008/12/18 Thu

この本の冒頭には、彼自身の覚醒体験が語られています。



トールは、三十歳になるまで、たえまのない不安やあせりに苦しみ、自殺を考えたことも あるほどでした。

二十九歳の時、ある晩、夜中に目を覚ました彼は「絶望のどん底だ」という強烈な思いにおそわれました。

あらゆるものの存在が無意味に思われ、「この世のすべてを、呪ってやり たいほど」でした。
しかも、自分自身こそが、もっとも無価値な存在のように感じられたの です。

 「こんな悲惨な人生を歩むことに、いったい、なんの意味があるというのか?
 どうして、 これほど苦しみながら、生きていかなければならないのか?」


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  わたしの中にある「生きよう」という本能は、「もう存在したくない、いっそのこと消え てしまえたらいいのに」、という悲痛な願いに押しつぶされていたのです。

わたしの頭の中 を、

「こんな自分と生きていくなんて、まっぴらごめんだ!」

という思いが、ぐるぐると回っていました。


すると突然妙なことに気づいたのです。

「自分はひとりなのか、それともふたりなのだろうか?」

  こんな自分と生きていくのが嫌だとすると、『自分』と『自分が一緒に生きていきたくないもうひとりの自分』という、ふたりの自分が存在することになります。
そこでわたしは自分に言い聞かせました。

「きっと、このうちのひとりが、『ほんとうの自分』なのだ」

  この時、わたしは、頭の中でつぶやいていたひとり言が、ピタリとやんでしまうという奇妙な感覚に、ハッとしました。

 わたしの意識はしっかりしていましたが、わたしの思考は「無」の状態でした。

次の瞬間、 わたしは、まるで竜巻のような、すさまじいエネルギーのうずに引きよせられていきました。
それは、最初はゆっくりで、次第に速度を増していきました。
わたしはわけがわからず、恐怖でガタガタと震えはじめました。

その時「抵抗してはなりません」というささやきが胸に飛びこんできたのです。
すると、 なぜか、恐れは消え去りました。

わたしが観念して、エネルギーのうず、「空(くう)」に身をゆだねると、わたしはみるみるうちに、その中に吸いこまれていきました。
そのあと、 なにが起こったのかは、まるっきり記憶にないのです。

 翌朝、小鳥のさえずりに、目を覚ましました。
まるで生まれてはじめて聞くかのような、 美しいさえずりでした。
目は閉じたままでしたが、脳裏のスクリーンに、さんぜんと輝くダイアモンドのようなイメージが見えました。

「なるほど! ダイアモンドに声があるとするなら、きっとこんな声に違いない!」
わたしが目を開けると、力強い朝日が、カーテンを貫いて、わたしの部屋に降り注いでい ました。

この時のわたしは、そのまばゆい光が「人間の英知をはるかに超えた、無限ななにか」であるということを、あたりまえのように知っていました。

「そうか、この暖かい光は、愛そのものなんだ!」

 わたしの目には、涙があふれていました。

寝床から飛び起き、部屋の中を歩き回りました。
ふだん見慣れているはずの部屋なのに、それまで、そのほんとうの姿を見ていなかったことに気づきました。
目に映るすべてのものが新鮮で、生まれたばかりのようでした。
手当たり次第に、そこら中のものを拾いあげてみました。
えんぴつ、空っぽのビンなど、あらゆるも のに息づく生命と、その美しさに、ただただ驚くばかりなのです。


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「我思う、故に我あり」ではなく、

それを観照する超越的意識こそが、真の「我」に至るポータルなんですね…





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さんかるぱ

Author:さんかるぱ
アメリカ在住13年。後、大阪に居を構え広い意味での「癒し」に関わる。

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